SaaS・FinTech領域には米国リスクマネーの6割以上が投じられており、まだまだ成長領域と言えるでしょう。国内は比較的SaaSが比重を占めますが、FinTechが改めて伸びるタイミングに入ってくるのではないでしょうか。例えば、SaaSやECの普及を前提としたようなEmbedded Finance領域などにも期待しています。

新興領域としては「ESG・カーボンオフセット」、「Web3」です。

ESG・カーボンオフセット領域の投資は、米国では2021年に前年度比8倍程度と急成長しました。ESGという企業評価における大きなトレンドとともに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のガイダンスに沿った情報開示義務化や開示賛同がグローバルで進んだ結果、企業にはより具体的なアクションが問われるようになってきました。スタートアップも、カーボン排出管理プラットフォーム、クリーン製造、カーボンリサイクル、カーボンオフセットのためのマーケットプレイスなど、事業に多様な広がりを見せています。国内大手企業の関心度も急速に高まっており、日本がイニシアティブをとりにいける領域の1つです。

Web3については他の方々も言及しそうなので細かな点は割愛しますが、高校生の時代にインターネット黎明期のウェブに初めてふれた時に感じたような、秘めた可能性にわくわくします。技術革新が必ずしも普及を意味しないことは歴史をみても明らかですが、Web3がこれから新陳代謝をしながら、どのように世の中へ提供価値を広げていくのかは気になるところです。

最後に、マーケットイン的なアプローチで世の中の成長トレンドに身を寄せる事はさまざまな面でメリットもありますが、やはりその起業家がそこをやる意味を強く感じるビジョンとビジネスというのは、多くのステークホルダーを突き動かす絶対条件です。アントレプレナー・マーケットフィットしたオリジナルビジネスに、これからも強く期待します。

2022年、より柔軟な思考で起業家の皆様と共に仮説思考で未来を一緒に描いていけたらと思います。シリーズA前後でのご相談やそれ以前の壁打ちなど、DMお待ちしております!

2022年に注目すべき投資先

どの投資先も注目しキラリと光るものがありますが、今回あえて3社をピックアップします。

SmartHR:年始より芹澤さん(前CTOの芹澤雅人氏)が社長に就任し新体制となります。スタートアップ業界におけるエポックメイキングな存在として引き続きリードしていくことを期待しています。