長期・つみたて・分散投資に適した金融商品が並ぶ「つみたてNISA」

長期で資産運用をする場合、期待されるリターンと同様に重視されるのが金融商品にかかるコストだ。年率0.5%程度の差であっても、投資期間が20年、30年と長くなればその影響は大きくなってくる。前述した複利の概念と同じことである。

さて、投資を始める前に読む記事にもかかわらず、いろいろと書いてきてしまったため、一度ここまでで学んだことを整理しよう。長期投資、分散投資、つみたて投資、低コスト。これら4つのポイントを押さえればよい。「最後まで読んだけどやっぱり難しいじゃないか」と思った方もいるだろう。そこでお勧めしたいのが「つみたてNISA」という制度の活用だ。

つみたてNISAとは、長期の積立・分散投資を通じた資産形成を後押しするために創設された税制優遇制度。年間の投資上限額は40万円となっているが、これから投資を始める人には毎月3万円のつみたて投資は十分と言えるだろう。

また、つみたてNISAでは投資できる金融商品の数に限りがあるが、金融庁が低コストで長期・つみたて・分散投資に適していると判断したものだけで構成されているため、投資対象を選ぶのに時間を割かずに済む。そして、なによりもつみたてNISAを通じて得た投資の利益は非課税になるというメリットがある。

まずは少額からお得な非課税制度を活用して投資を始めてみて、徐々に知識や経験を積んでから、自分の将来プランに応じて個別株への投資など投資のバリュエーションを増やしてみるといいだろう。