基本的なメニューは1回80分のレッスンを月に4回実施するコースで、料金は月額8800円(税込)。自宅のゲーム機を使って参加でき、レッスンには「Discord」のボイスチャットや画面共有機能などを用いる。現在対応しているタイトルは『Apex Legends』とフォートナイトだ。

“英語を実践する場”として小学生を中心に500人以上が活用

ゲシピ代表取締役CEOの真鍋拓也氏によると現在の会員数は500人を突破しており、6ケ月後の継続率も90%以上を維持している。受講希望者も2000人を超える状況で、体制を整えながら「今年中に3000人を目指していく」計画だ。

利用者の9割以上は小学生で、特に小学3年〜6年生が中心。「他の英会話スクールでは楽しめずに継続できなかったが、eスポーツ英会話なら楽しみながら受講できそう」「他の英会話スクールにも通っているが、学んだ内容を実践する場として活用したい」といった理由からeスポーツ英会話に入会するユーザーが多いという。

「発話に特化し、話すことに自信がつくプログラムになっていることが特徴です。子どもたちは恥ずかしさを忘れるくらい楽しむことができ、ゲームに勝ちたいから学んだ英語をどんどん話します。(少人数かつメンバーとコーチが固定制のため)安心安全で、失敗してもコーチがサポートしてくれる環境を作っています」

「(保護者に対しても) これを使えば英検3級が取れます、といったような話はしていませんし、それを求めるならば他の選択肢の方が良いかもしれません。自分たちが大事にしているのは、英語に自信を持てるプログラムかどうか。(他のスクールなどで)学んだけれど実践で使うことができない、間違った英語でも良いので自信を持って英語でコミュニケーションできるようになって欲しいという理由から活用いただくことも多いです」(真鍋氏)

カリキュラムの例
カリキュラムの例

そういったニーズも踏まえ、カリキュラムにはゲームの中だけではなく日常の会話でも応用できる内容を盛り込んだ。必ずしも既存の英会話スクールと競合するわけでもなく、併用しているユーザーも一定数存在するという。

100人を超えるコーチ陣についても、バイリンガルでゲームが上手く、子どもとのコミュニケーションに長けた人材を採用しているそうだ。

原体験は中学時代にハマったゲーセン、ヤフーを経て起業

真鍋氏の言葉を借りれば、ゲシピは「ヤフー出身の親父経営陣」が牽引する会社だ。真鍋氏と取締役CTOの松井謙氏はともにヤフーの出身で、前職では同じ事業部門で働いていた。

当初は社内起業を考えグループの社内起業プログラムに応募していたが、最終プレゼンを前に「本当に会社の中でやりたいことなのか」と考え、自ら起業する道を選択。約10年間務めたヤフーを40歳で退職し、2018年1月にゲシピを設立した。