「起業って『リスク』というワードと抱き合わせで出てくることが多いと思うんですが、令和の世の中においてはリスクではないと思っています。個人的なコトを言えば、私、資金調達って最初は(エクイティファイナンスではなく)借金だと思っていて、『何億円調達しました』と聞くと、どうやって返すんだろう……と思っていました。それこそデットファイナンスであっても、今では個人保証がなくても借りることができるようになってきました。また転職市場で言えば起業経験は有利。キャリア的にも金銭的にもまったくリスクはないので、もし『起業にリスクが…』と考えていても、書き出してフラットに考えてみたらリスクではないこともあります。学習環境も調達環境もよくなっているので、チャンスだと思います」(岩崎氏)

「リスク評価をせずにリスクがありそうと思ってやめるのは一番よくないと思います。ノーリスクビッグリターンはよほど運がよくないとないので。ですが『運のいいやつ』になれるかどうかは大事だと思っています。運の良さって作れると思うんです。運のいいやつって、何かあっても助かるんです。その『助かる』を作るのが大事だと思います。細々した法令や法律、ファイナンスなど課題はありますが、大体のビジネスは結局のところ人間関係です。なので、相手に『お前のために何かしてやろう』と思ってもらえるかは大事。ビジネス上の合理性なら極論(相手は)誰でもいいわけですから、それ以外で何かしらの関係ができるか。それが結果として大事でした。あと、迷っているくらいだったら、手違いで起業したあとでやめ方を考えるくらいでいいと思います。あまりそそのかすのはよくないですが、迷っている時間が一番ムダです」

「僕らの世代は『ルールはルールだから』と言いがちです。でもルールは変えられるものです。既得権益ゴリゴリなルールもあるけれども、『誰も言ってこなかったから変えられていなかった』というルールも多いです。やりたいことがあるんだったら、そのエグゼキューションとしてルールを変えるための、『非常識人』にならないといけません」(中尾)