あんなに好きだったのに…「飽きっぽい子」の親が無意識に繰り返しているNG行動とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「子どもの好奇心は簡単に枯れる」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。本「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【子どもの探究心をキープする方法】をお届けする。

好きなことだから「100%子ども任せ」→NG!

「子ども時代(特に小学生の時期)に好きなことを徹底的にやらせてあげると探究心が育つ」とお伝えしました(詳細は『さかなクンの小学生時代の家庭教育「そりゃ皇室御用達になるわ…」と思える納得の内容だった!』を参照)。

 しかし、好きなことをとことん追求させるといっても、知識や技能の習得を「100%子ども任せ」にしていると、探究心が枯れてしまうことがあります。

 いくら好きでも、人生経験の少ない子どもが自分の力で追求できる範囲には限界があります。親には必要な時には水を与え、栄養を与える役割があるということを忘れないでください。

 スペースシャトル・ディスカバリーに搭乗した宇宙飛行士の山崎直子さんは、兄が見ていた『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』などのアニメの影響で「宇宙」に興味を持つようになりました。

 小学校低学年の時に天体観測イベントに参加した際の「感動」がきっかけで宇宙への関心が高まり、「宇宙に行ってみたい」という夢を抱くようになりました。

 父親は自衛官で母親は専業主婦という普通の家庭に育った山崎さんは、両親から「勉強しなさい」と言われたことはなかったそうです。

 それでも「夢」の実現のために自ら勉強に励み、東京大学工学部航空学科に進学。さらに、東京大学大学院工学系研究科を修了後、宇宙開発事業団に入ります。国際宇宙ステーションの開発業務に従事しながら宇宙飛行士を目指し、入社してから3年後、2度目の受験で宇宙飛行士に選抜されました。

「宇宙飛行士」という難関で壮大な夢を実現させるために、両親はどんなことをしたのでしょうか?気になりますね。

山崎さんはあるインタビューで次のように答えています。

「(両親は)勉強についてはノータッチでしたが、私が興味を示すものについては、新聞の切り抜きや書籍、博物館の展示会など可能な限りの情報を与えてくれました。成果を求めるのではなく、好奇心を満たす材料を与え続ける。宇宙に行きたいという夢を持ち続けられたのは、両親の子育て方法のおかげです」
(日本経済新聞〈NIKKEI STYLE〉『宇宙飛行士・山崎直子さん 元空挺隊員の父が質問攻め』よりhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO49665600R10C19A9KNTP00/

「好きなことは時間を忘れて夢中になる」という子どもは、研究者気質が強いかもしれません。

 研究者気質の子どもの探究心を維持するには、親が要所要所で声をかけて、好奇心を刺激する材料(山崎さんの場合、新聞の切り抜き、書籍、テレビ番組、科学館、天体観測、プラネタリウムなど)を与えることがポイントです。

 子どもの「好き」を親が応援して、情熱を刺激する仕掛け作りを行うと、親子の信頼関係が強固になり、子どもは親のアドバイスに耳を傾けるようになります。

 良好な親子関係を維持できると、子どもは安心して自分の好きなことに(学齢期をかけて)打ち込めるという好循環が生まれていくのです。

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あんなに好きだったのに…「飽きっぽい子」の親が無意識に繰り返しているNG行動とは?ピッタリの習い事は子どもの強みを育てる最高のチャンス!『「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

あんなに好きだったのに…「飽きっぽい子」の親が無意識に繰り返しているNG行動とは?「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。