コンサル大解剖Photo:Olemedia/gettyimages

コンサルティング市場の急拡大に伴い、コンサルファーム各社も高成長を続けている。では、上場する主要コンサルファームの今後の成長性や年収は。長期連載『コンサル大解剖』では、「成長率&年収」の最新ランキングを作成した。前編となる本稿は、主要ファーム6社の今後3年の営業利益の市場予想に加え、上場コンサルの成長率ランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

昨年上場の「ベイカレ兄弟」は売上高3割増
昨秋ストップ安の“兄貴分”も最高益更新へ

「引き続き高い成長を維持できている」。日系のコンサルファーム、ライズ・コンサルティング・グループが2024年4月12日に開いた決算説明会で、北村俊樹社長はそう強調した。同社の24年2月期の売上収益は前年同期比29.3%増、営業利益は同31.1%増となった。昨年9月に新規上場した同社にとっては、上場後初の通期決算で高い成長性を示した格好といえる。

 「ベイカレ兄弟」「ベイカレクローン」――。同社は、ビジネスモデルの類似性や、創業者の出身企業から、関係者にそう評されることもある。ベイカレとは、“爆速成長”を続けてきたベイカレント・コンサルティングのことだ。

 国内株式市場を代表するテンバガー(10倍株)にのし上がった“兄貴分”のベイカレントは昨秋に市場の厳しい洗礼を浴びた。昨年10月、23年3~8月期の好業績の開示後にストップ安に見舞われたのだ。業績好調下での株価急落は「ベイカレント・ショック」とも言われた(『コンサル業界に暗雲?業績好調もストップ安「ベイカレント・ショック」の真相、単価・稼働率・採用の3大指標ににじむ不安』参照)。

 ベイカレントの株価は、その後いったんは回復したものの、今年に入りピーク時の半値ほどの水準で推移している。とはいえ、業績は悪いわけではない。むしろ、絶好調ともいえる。今年4月に発表した25年2月期の純利益も前期に続いて過去最高を更新する見通しだ。

 コンサル市場の拡大を背景に、コンサルファームも高成長を続けている。ただ、成長率は業界内でも格差があるのが現実だ。ダイヤモンド編集部では、上場しているコンサル各社の「成長率&年収」の最新ランキングを作成した。前編では、3期先までの営業利益の市場予想を基に、各ファームの成長性を示す。

 次ページでは、ベイカレントやライズ、野村総合研究所など、今後3年の営業利益の市場予想が出ている上場ファーム主要6社の今後の利益見通しを明らかにする。また、各社の今後3年の年平均成長率(予想)も紹介する。ベイカレントを上回ったファームはどこか。