同社は現在、NFTプロジェクト「NEN」を展開している。NENは3000個のジェネレーティブNFTを販売し、保有者はそれぞれのNFTに設定された質問に対して、自由に回答することができ、回答内容をもとにAIキャラクターのアイデンティティを構成できる、というプロジェクト。そのアイデンティティはAIキャラクターの対話内容や思想に影響を及ぼすことができるほか、オンチェーンで永遠に保存される。

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NENのコミュニティとして運用されているDiscordサーバーでは、1000人を超えるユーザーが所属し、活発にコミュニケーションしているという。

「NFTプロジェクトを成功させるために必要なのは、NFTホルダーを楽しませ、いかにコミュニティを盛り上げるかどうかです。VTuberとNFTプロジェクトは相性が良いと言われますが、VTuberは結局のところ“人”に依存する部分があるため、NFTホルダーの要望をすべて聞き入れるのは難しい。その点、AI VTuberはあくまで機械なので要望を聴き続けても問題ないので、非常に相性がいいと思っています」(明渡氏)

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NENの販売は6月中を予定しているという。今後、コミュニティ内で生まれたアイデンティティをもとにしたAIキャラクターのYouTubeライブ配信に加え、アニメ化や漫画化などにも取り組んでいくという。そのための資金として、5月31日に既存投資家のSkyland Ventures、XTech Ventures、90sのほか、新規投資家のHash Global、Mask Network、太田雄貴氏から合計1.2億円の資金調達を実施したことを発表している。

「グローバルなアニメ・ゲームなどのIPとして展開していくために、シナリオなどのアイデアをNFT保有者から募集し、物語の構築に関与してもらうような仕組みなども取り入れる予定です。民主的なIP開発の新しい形を体現していければと思います」(明渡氏)