その見原氏が、人生をかけて取り組めることとして選んだのが「未来を担う若い世代の人たちの可能性を最大化できること」だった。

「今、日本では、高齢化もあって子どもに投資できる環境にありません。何とかしないと日本が右肩下がりになっていく。ママリではユーザーから『日常の不便を実際に解決できて助かった』という声をいただく体験があり、すごく嬉しかった。前職のメルペイで得た経験と『子どもたちの未来の可能性を最大化する』ことを掛け合わせて、誰かの役に立てることをやりたいと考え、情熱を傾けられる事業としてシャトルペイを選択しました」(見原氏)

子どもに対する親の悩みをシャトルペイでフォロー

プリペイド型決済ではSuicaやPASMOなどの交通系ICカードの方が、移動などのシーンにも対応でき、自動販売機なども含めた加盟店も多いことから使い勝手が良さそうにも思える。これらのICカードや現金と、シャトルペイとの大きな違いは何か。

見原氏は「リアルタイム送金が可能なこと」と「アプリ連動で実現できるUX」を特徴として挙げる。

交通系ICカード・現金とシャトルペイとの違い
 

シャトルペイのユーザーインタビューによれば、親の悩みは「習い事なども含めた子どもの教育」「子どもとのコミュニケーション」「友達付き合いやいじめなど子どもの安全」の大きく3つに分けられる。見原氏はシャトルペイが、こうした悩みをフォローできるのではないかと考えている。

「親は子どもの安全や様子が知りたいだけで、監視したいわけではないが安心したい。お金の使われた履歴や、貯金の目標で子どもがやりたいことを知れば、親は子どもに声をかけるきっかけができます。中高生になって子どもが急に親離れしたり、部活や仕事でお互いが忙しかったりするときに、シャトルペイの履歴を見れば、短い時間でも会話の糸口がつかめるでしょう」

「また、計画的にお金を使えるようになるためには、小遣い帳の機能も役立ちます。紙に書く小遣い帳では、毎回の記録と毎月の集計が大変で続かないことも多い。小遣い帳は記録よりも振り返りに意味があります。シャトルペイではプリペイドカードを使うと自動的に記録ができて、毎回の出費の振り返りができ、後でまとめて見直せるようにもなっています」(見原氏)

親アプリにどこまで子どもの情報を開示するかで議論が紛糾

キャッシュレス決済へ移行し、現金でのやり取りがなくなることで、子どもたちが「お金を使っている感覚」「お金が減っていく感覚」を失っているのではないか、という話を耳にすることもある。見原氏はこれに対し、次のように説明する。