B/43では通常の個人カード(B/43マイカード)とペアカードの2種類を発行しているが、2021年7月からスタートしたペアカードが好調で、パートナーとの生活費支出のメインカードとして使われるケースが増えている。スマートバンク代表取締役の堀井翔太氏も「ペアカードにおいて力強いPMF(プロダクトマーケットフィット)を感じており、さらなるスケールも見込める」と話す。

スマートバンクとしては今後ペアカードの拡大により注力していく計画。そのための資金としてグロービス・キャピタル・パートナーズ、グローバル・ブレイン、Z Venture Capital 、ANRI、三井住友海上キャピタル、DBJキャピタルを引受先とした第三者割当増資によりシリーズAラウンドで総額20億円を調達した。

専用のペアカードとアプリでパートナーとの家計管理をサポート

B/43のペアカードではアプリ上から共同口座を作り、それに紐づいた専用のカードがパートナーそれぞれに発行される仕様になっている。個人用と共同の口座は独立しており、カードもそれぞれの用途に応じて2種類のものを使い分けるかたちだ。

ペアカード
 

ユーザーはTwitterのメインアカウントとサブアカウントを使うような感覚で、B/43のアプリから個人用とペア用をスムーズに切り替えること可能。たとえば個人用に毎月10万円を入金し、そのうちの7万円をペア用に振り替えるといったことも簡単だ。

アプリからはパートナー双方の支払い履歴をいつでも確認でき、相手が決済をした際にもリアルタイムで通知される。決済金額は共同口座から引き落とされるため、立替精算などの手間とも無縁だ。

ペアカードのアプリ画面
ペアカードのアプリ画面。アイコンとともに決済の履歴が表示されるので、どちらが何に支払ったかも一目でわかる

冒頭で触れたポケット機能を用いれば、特定の目的のための資金をパートナーと一緒に蓄えていくツールにもなりうる。実際に夫婦で旅行用の資金を蓄えたり、カップルで結婚準備金を蓄えたりといったかたちで使われているという。

「(ペアカードを通じて)解決しているのは、共働きの夫婦や同棲してるカップルが抱えているお金の共有に関する課題です。そのような方々は基本的に同じ家で一緒に暮らしていて、どちらか一方が家計を負担するのではなく、双方でお金を出し合いながら生活していることが多い。そこでパートナーと一緒に家計の管理や支払いをするための方法が必要になります」

「2人で家計を管理する手段としてメジャーなのはクレジットカードの家族カードですが、法的な婚姻関係がないと作れないという制約があります。一方でキャッシュレス系の決済サービスの多くは、主に1人で使うことを見越して設計されている。そこで(アナログな手段も含めて)既存の方法を駆使しながら対応しているのですが、面倒な立替精算や支出状況の確認の手間など、何かしらの課題が発生しているような状況でした」(堀井氏)