古橋氏にとってはBOXILとは全く異なる領域での挑戦となるが「日本のIPはポテンシャルが高く、世界で戦える可能性を秘めている」との考えからIP領域に着目し、NFT×フィギュアというアプローチから事業を始めることを決めた。

すでに老舗フィギュアメーカーの海洋堂とフィギュア製作における基本合意を締結しており、同社とタッグを組みながら日本発のグローバルIP作りに挑むという。

販売前の商品のファンアートが2万円で売買

NFIGUREにとって第一弾のプロジェクトとなるMASKED GIRLS NFTは、NFTとフィギュアをかけ合わせた日本発のNFTプロジェクトだ。

その名の通り“マスクを着けた女性”がモチーフとなっており、今後は絵師とともに7体のオリジナルキャラクターを制作する計画。直近では1体目のキャラクターである「Rei」のフィギュア製作と海外販売が目標だ。

Reiのイラスト
Reiのイラスト

年内にも販売を予定しているNFTはすべてフィギュアとセットになっており、NFTの購入者には「目安として1〜2年後」(古橋氏)に実物のフィギュアが届く。

このプロジェクトではNFTが会員権のような役割も担う。100%コミュニティ主導というわけではないものの、たとえばキャラクターの名前を投票で決めるなど、ファン同士がコミュニティ内で交流を深めながら、一緒にIPの成長を見守っていくことを意識して設計する計画だ。

現在は「NFTセール前のプレマーケティング段階」で全てのキャラクターが公開されているわけではないが、すでに「NFTプロジェクトならではの面白い生態系ができ始めている」(古橋氏)という。

Discord上に開設しているオンラインコミュニティ上には約2200名が参加。早期の参加者に対してOGロール(記念のバッジのようなもの)を配布する取り組みをしたところ、数日で一気に1000名を突破した。今でも参加者は増え続けている。

このコミュニティ内では現時点でチャットの機能を設けていないため、ユーザー同士が交流用の別コミュニティを自発的に立ち上げ、そこにも100名以上が参加している状況だ。

またNFTの販売前に関しては自由にキャラクターの二次創作(ファンアート)をできるようにしたところ、「(NFT販売前にも関わらず)ファンアートが2万円で購入される」ような事例も生まれているという。

NFTで変わるIPの作り方

なぜNFT×フィギュアだったのか。実はIP領域で新たな挑戦を決めた古橋氏は、当初フィギュア単体で展開することを検討していたという。