なおベヨネッタ2の発売ハード変更に関する経緯は、プラチナゲームズの神谷英樹氏が発売直後に心情をTwitterで明かしている(以下は連続ツイートをまとめたもの)。

ベヨに関しても、セガと契約を結んで開発、それからしばらく経って続編も作ろうということになって、ベヨ2開発がスタートした。


それが、ある程度開発が進んだところで、セガの事情で「やっぱりこの計画は無しに」ということになり、一時開発が中止になって。


資金がないことには我々開発会社は開発を続けられないので、この途中まで進んだベヨ2をなんとか世に出したいと思い、いろんなパブリッシャーに話を持ち掛けるも、大きいタイトルなので中々協力会社が見つからず、ついにベヨ2は完全消滅に。


…なりかけたところで、任天堂が「それならば」と手を差し伸べてくれ、我々は念願かなって開発を再開することができ、そしてついに先週発売日を迎え、5年越しでベヨ2を世に送り出すことができた、と…


※筆者注:「大きいタイトル」=開発規模が大きく、制作費が高額

これは、ベヨネッタ2がPlayaStationやXboxシリーズでは発売されないと知ったファンによる「任天堂が金の力でベヨネッタ2を独占した」というSNS上での誤解を鎮めるためにした状況説明だ。

こうしてベヨネッタ2は任天堂が開発費を負担してWii Uで発売。後日、ベヨネッタおよびベヨネッタ2のNintendo Switch版、そして最新作であるベヨネッタ3も、任天堂が開発費を負担して作られたのだ。こんな背景を知れば、ベヨネッタシリーズが順風満帆にシリーズを重ねてきた訳ではないことが分かるだろう。

もちろん、テイラー氏が「声優という職業の、地位と報酬を向上させるため」として今回のツイートをしたという目的も理解はできる。しかし発売元変更の経緯や、10月27日発売の『週刊ファミ通』(KADOKAWA刊)に掲載されたベヨネッタ3開発陣インタビュー・神谷英樹氏の言葉を聞けば、彼女も納得してくれるのではないだろうか。

任天堂さんに救われたのがベヨネッタシリーズ。(中略)任天堂さんは作りたいもの、表現したいものを全力でサポートしてくれた。

(週刊ファミ通2022年11月10日号 No.1769より引用)

ベヨネッタ3発売日の翌日である10月29日は、奇しくも初代ベヨネッタの発売日だった。初代の発売から13年。紆余(うよ)曲折を経ながらも着実に話題や人気は大きく育ちつつある。

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