「新型コロナウイルスの影響で宿泊施設に関する情報が錯綜していて、予約をとったけれど行ったら営業していないケースも発生していました。コロナ禍での旅行に関して賛否はあれど、いろんな人がいる中でどこに泊まればいいのかが不透明になっていたので、まずは安心して宿泊できる施設を可視化しました」(有川氏)

また、Go To トラベルキャンペーンは10月1日から東京発着旅行も対象になることが決まり、9月18日の正午から旅行の予約を開始した。しかし、有川氏によれば「予約解禁の最終決定が同日の11時に決まった」そうで、各社はその対応にかなり時間を要している。一方でHotspringは予約解禁と同時に販売を開始しており、「すでにかなりの予約が入ってきている状況です」と有川氏は語る。

旅行予約サイトが横並びに。僕たちは「安心」を提供できる

コロナ禍を機にした変化は「キャンセル」にも影響を及ぼした。今では「予約だけしておいて、感染者が増えたから直前にキャンセルする」というケースが増えてきているという。そうした変化を踏まえ、Hotspringはこころからに旅行当日までキャンセル料金が無料で予約できる宿のほか、Go To トラベルキャンペーンの還元対象となる宿泊施設などを絞り込んで検索できる機能を新たにリリースしている。

また、Go To トラベルキャンペーンは現在、旅行代金の35%相当分を割り引いた価格で宿泊施設を予約できるが、事後還元手続きに関しては7/27以降〜8/31の期間、手続きが必要なケースとそうでないケース(=割引料金で予約できるケース)が混在していた。そのため自分は申請の対象なのか分からないユーザーに対し、Hotspringは申請の対象になる人には「申請対象ですので申請の手続きをしてください」と直接連絡する対応を行った。

「一旦、会社の動きを止めて旅行の需要が回復するのを待つことも考えましたが、僕たちは旅行需要が戻ってくるタイミングに向けて仕込みを進める決断をしました。需要が戻ってきたときに旅行に行きたいと思った人たちが欲しい情報は何か、予約するのに何が今までと違うのか。そういう変化を見つけて、今のうちにプロダクトに落とし込みました」(有川氏)

7/27以降、Go To トラベルキャンペーンはシステムの準備が整った会社から割引料金での販売が開始できる仕組み(9月1日からは割引料金でなければ販売してはいけない)になっているが、その切り替えに対応できる旅行会社が限られていた。Hotspringはその枠に入れたため、売り上げも順調に戻ってきている。有川氏は「常に情報をアップデートし続けてプロダクトを改善したからこそ、素早く対応できました」と語る。