──帝国劇場で女性が演出するのは大変珍しいことだそうですね。

帝劇109年の歴史の中で、ミュージカルコンサートの演出を女性が担うのは初めてのことだと聞いています。世間一般からすると驚かれるかもしれませんが、事実として女性が活躍しづらい環境があったのではないかと思います。

私はたまたま東宝で初めての女性プロデューサーとなったり、シアタークリエのこけら落としも手掛けさせていただいたりする中で、“女性初の”と注目される機会も何度かありました。その度に、後に続く女性たちのことを思いながら「私が失敗してはいけない。これだから女性は、と言われてはいけない」という責任を感じてきました。

誰かにプレッシャーをかけられたわけではなく、勝手にそう思ってきただけなんですけどね。でも、私がきちんと作品を世に出し続けることで、演劇を目指す若い女性たちを勇気づけられたら、嬉しいです。

──そもそもなぜ演劇の世界を目指そうと思ったのか、キャリアの原点を聞かせてください。