Chompyを運営するスタートアップ・シンで代表取締役CEOを務める大見周平氏は、Twitterでこのように投稿した。シンは6月22日、Uber Eatsで発生した不法就労に関する報道を受け、外国籍配達員の就労資格の確認のための取り組み内容を公開した。

シンでは、出入国管理法ならびに難民認定法の定めに基づき、外国籍配達員の登録を受け付ける際には在留カードや特別永住者証明書といった就労可能資格の原本を確認している。登録の際には訪れた人物と就労可能資格の原本に写る人物が同一人物であることを社員が目視で確認。加えて、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリ」を利用し、在留カードが偽造されたものではないことを確認する体制を取っていると説明する。

大見氏は「書類の偽造は簡単にできてしまうため、対面での目視、そしてアプリによる二重確認の仕組みを導入しました。この仕組みでなければ、多くの抜け道が存在してしまうと考えられるからです」と理由を語る。

一方、Woltでは本人確認の方法に関して、警察庁から直接の指導を受けているという。同社広報によると、Woltの外国籍配達員は全体の約2パーセント。登録の際にはChompy同様に、対面にて、在留カードとパスポートで必ず本人確認を行っていると説明する。Uber Eats元運営者らの書類送検については直接の言及を避けたが、「本件の動向を見守り、プラットフォーム企業の国内での運営について法解釈があった場合、速やかに従う所存です」と述べる。

不法就労の黙認に「驚きはない」──ウーバーイーツユニオン

「このニュースを聞いてもさほど驚きはありません。予想されていたことでした」

Uber Eatsの配達員らでつくる労働組合ウーバーイーツユニオン。その執行委員長である土屋俊明氏は取材に対してこう切り出した。

土屋氏によれば、SNS上では以前より、Uber Eatsの注文者と思われるアカウントが「顔写真とは違う外国人配達員が来た」などと投稿するケースが散見されており、配達員の間では「名義貸しが行われているのではないか」とうわさになっていたという。配達員の間ですら話題になっていた話をUber側がまったく知らないとは考えにくく、「(名義貸しの実態について)注文者からサポートセンターにクレームが入っていたはずだが、運営側の対応は遅れていたのではないか」と推察する。

今回のように不法就労の疑いがあるケースについて、土屋氏が耳にするようになったのは昨年の春ごろから。実はその時期に、Uber Eats Japanは配達員登録の仕組みを変更している。これまでUber Eats Japanでは、対面で配達員の登録を行う「Uber パートナーセンター」を全国に設置していた。だがコロナ禍の影響もあり、2020年3月30日でパートナーセンターを閉鎖。以後の配達員登録はオンラインで完結するようにした。