岩崎氏によれば、目指すのは“ビジネスパーソン版mixi”の立ち位置だという。mixiは2004年に誕生したSNSの草分け的な存在で、サービス内にタイムラインの概念がなく、友人・知人が投稿した“日記”を読むためには、その人のページを訪れなければならなかった。

「マイミク(友人)のページを訪れて、更新された日記を読む。この構造は非常に心理的安全性が高かったと思うんです。YOUTRUSTもタイムラインをなくし、友人のアカウントを訪れて投稿内容を見る仕組みにすることも検討しています」(岩崎氏)

また、YOUTRUSTはハッシュタグを用意するだけでなく、新たに編集部を立ち上げ、ビジネスパーソンに向けたオリジナル記事の提供も始めている。こうしたオリジナル記事の提供やユーザーの投稿を通じて、「YOUTRUSTを今まで以上に“ふとした瞬間に開く(アクセスする)場所”にしていければ、と思っています」と岩崎氏は語る。

転職・副業意欲の高い人や転職に前向きな人がアクティブに使うSNSになれば、自然と企業アカウントの数も増え、売り上げも増えていく。実際、昨年6月からの1年間でYOUTRUST上でのマッチングの数は13倍に増えている。

1年間で累計ユーザー数は5倍増──急成長のキャリアSNS「YOUTRUST」、運営元が4.5億円の資金調達
 

だからこそ、YOUTRUSTは今後、新規ユーザーを獲得を目指して屋外広告(OOH)を筆頭に認知拡大の施策を実行していくほか、既存ユーザーのエンゲージメント向上のためのマーケティング施策を強化していくという。

「今回、資金調達のピッチで(デライト・ベンチャーズ マネージングパートナーの)南場さんに『目標が小さすぎる』と怒られたんです。南場さんは日本経済団体連合会(経団連)の副会長に就任され、向こう4年はスタートアップ・エコシステムの強化と大企業人材の徹底的な流動化に力を注いでいく、と言っていて。そんな南場さんから怒られて、私自身の(経営者としての)視座が変わりました」

「優秀なビジネスパーソンが、より良いキャリアの機会や気づきを得ることができるようにする。YOUTRUSTは日本の雇用システム、キャリア市場を変革する存在として成長し、南場さんが創業されたDeNAを超えるような企業になっていければと思います」(岩崎氏)