ファインディ代表取締役CEOの山田裕一朗氏いわく「エンジニア組織のGoogle アナリティクスのようなイメージ」。エンジニア組織全体はもちろん、開発チーム単位や個人単位でスタッツを細かく分析できるほか、重要な指標を一覧にした日別・週別のレポートも充実している。

デイリーのレポートのイメージ
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メンバーごとの活動量の推移をグラフなどで表示することもできる
メンバーごとの活動量の推移をグラフなどで表示することもできる

また活動量が多すぎるメンバーや少なすぎるメンバーなど、“優先的にフォローアップした方が良いと考えられる人”を自動でピックアップする機能を搭載。何かしら課題を抱えていたり、放っておくと退職にも繋がりかねない兆候にも早い段階で気付きやすい仕組みを作った。

企業を悩ませる「エンジニアマネージャー忙しすぎる問題」

Findy Teamsはこれまでベータ版として30〜40社に試験的に提供してきた。

利用企業はスタートアップからメガベンチャー、DXに積極的な企業や受託開発企業など幅広い。本日ローンチされた正式版はミニマムで月額5万円から利用でき、解析の対象となる人数によって料金が変わる。山田氏によるとすでに20社弱の企業が先行して有料で使い始めているという。

Findy Teamsが活用される背景にあるのが、エンジニア組織を取り巻く環境の変化と、それに伴う組織づくりやマネジメントの難易度の上昇だ。山田氏の特に影響が大きい要因として「エンジニア採用の競争激化と、コロナ禍によるリモートワークの拡大」を挙げる。

近年はスタートアップの大規模資金調達や大企業のDX推進によって、エンジニアの採用競争が加熱してきている。中でもエンジニアマネージャーはなり手が少なく、人材が不足しやすい。そのため1人のマネージャーが担当するメンバーの数が増えていく構造にあるという。

「結果として現場で何が起きているかというと、1on1と採用面談でエンジニアマネージャーのほとんどの時間が埋まってしまっている。ただでさえメンバーの状態の変化や退職の兆候を把握するのが難しい状態なのに、リモートワークの導入でその難易度がさらに上がっているんです」(山田氏) 

ファインディ代表取締役CEOの山田裕一朗氏
ファインディ代表取締役CEOの山田裕一朗氏

たとえば1on1をするにしても、メンバーの日々の活動状況などを把握するにはGitHub上のアクションなどを逐一、目視で確かめる必要があった。それが数人程度であれば対応できるものの、10人を超えてくると「負担が大きく、細かく見るのが難しくなってくる」(山田氏)という。

Findy Teamsを担当するファインディ取締役CTOの佐藤将高氏によると、今までは気合と根性で残業をして対応するか、ある程度は仕方ないと割り切るくらいしか選択肢がなかった。