腕時計を確認する女性写真はイメージです Photo:PIXTA

Z世代など若者を中心に「タイパ重視」志向が強まっています。仕事において時間はコストであり、短い時間で良い成果を上げることは望ましいことです。ただ、何でもかんでも「タイパ主義」というのは考えもの。自分にとって本当に財産になる機会を逃してしまうかもしれません。(作家・ファンセールスコンサルタント 和田裕美)

「タイパ重視」は悪いことか?

「タイパ」という言葉を聞くことが多くなりました。

 タイパとは、タイムパフォーマンス(時間帯効果)のこと。費やした時間に対して得られた効果を示す造語であり、短時間で高い効果や満足度を得られることを「タイパが高い(良い)」と表現します。

 生成AIの登場など、現代は生活を便利にするためのIT技術が進歩し、以前ほど時間や労力を費やさなくてもいろいろなものが簡単に手に入る時代です。

 簡単な調べ物をするときに、わざわざ図書館に足を運ぶ人はあまりいませんよね。ほとんどの人はスマートフォンで検索し、「知りたいこと」は数分で解決できるでしょう。これも、タイパが高い行動の分かりやすい例です。

 また、効率のいい仕事が求められる世の中においては、PCのショートカットキーを使いこなすとか、ChatGPTを上手に活用する、会議時間を短くする、紙の報告書などをなくすといった時間効率をよくする方法が求められます。

 しかし、「タイパにこだわりすぎる」と、重要な成長機会を逃すことにもつながりかねません。