サービスの料金は生徒数に応じた月額課金制で、目安としては「だいたい1組織あたり年額5万円ほどから」利用できる。また同サービスには出版社が用意した問題集や単語帳を購入できるマーケットプレイスも用意されており、ここでの手数料もモノグサの収益源だ。

“ブラックボックス”になっていた自学自習の状況を可視化

従来はブラックボックスになっていた自学自習の状況が可視化されるのが特徴の1つ
従来はブラックボックスになっていた自学自習の状況が可視化されるのが特徴の1つ

現在Monoxerは河合塾や明光義塾を始めとした大手の学習塾や学校を始め、3400教室以上で導入されている。竹内氏によると特に多いのが中学生の年代。小中高が大部分を占めるが、近年は18歳以上の専門学校や大学、社会人教育における利用事例も少しずつ増えているそうだ。

導入企業の幅は広がってきているものの、「自学自習がブラックボックスになってしまっているという点はすぐに共感してもらえる」と竹内氏は話す。

「成績が良い生徒は頭が良いから、要領が良いからと考えられがちなのですが、先生が出した宿題を1回だけ埋めて憶えられる子はほとんどいません。結局は自学自習の時間にプラスアルファの努力をしているから憶えられているにすぎないのですが、従来はそこが完全にブラックボックスになってしまっていた。Monoxerを使えばその状況が可視化されるというのがわかりやすい価値です」(竹内氏)

学校現場でもMonoxerの利用が広がっている
学校現場でもMonoxerの利用が広がっている

近年では“Monoxerを使うことで成績向上につながったケース”がいくつも生まれてきている。

たとえば都内の進学校では、約90名の中学2年生のコースで英検3級の合格率が前年の59%から93%に向上。約70名の高校2年生のコースでも準2級の合格率が34%から80%に上がるなど、大きな成果が出た。

看護師や理学療法士の国家資格取得に向けてMonoxerを活用する専門学校でも、導入3カ月後に実施した校内模試の平均点が前年よりも30点ほど高くなった。

竹内氏によると、特に「これを憶えたら合格できる(良い成績が取れる)」というのが定義されている領域ほどMonoxerが効果を発揮しやすい。実際に英検の場合は出版社とタッグを組み、その整理を進めたことが成果にもつながったのだという。

「記憶の会社」を作った理由

モノグサは竹内氏が高校の同級生である畔柳(くろやなぎ)圭佑氏(​​代表取締役CTO)と共同で2016年に立ち上げた。

竹内氏は前職のリクルート時代に中古車領域の広告営業を経験した後、スタディサプリの営業組織の立ち上げや事業開発を経験。一方の畔柳氏はGoogle出身のソフトウェアエンジニアだ。

竹内氏と代表取締役CTOの畔柳圭佑氏
竹内氏(写真左)と代表取締役CTOの畔柳圭佑氏(​​写真右)

“記憶に関する課題を解決するサービス”というテーマで2人が起業を決めたのは、竹内氏が「世界中の英単語帳を自由にシェアできるようなサービス」のアイデアを畔柳氏に持ちかけたことがきっかけ。