三井住友信託の“住友支配”に異変!トップ人事に影響を及ぼす日本カストディ銀行の「時限爆弾」(手前右から)三井住友トラスト・ホールディングスの大久保哲夫会長、高倉透社長、三井住友信託銀行の大山一也社長、橋本勝会長 Photo:JIJI

国内最大手の信託銀行を傘下に持つ三井住友トラスト・ホールディングスで、トップ人事に異変の兆しがある。その鍵を握るのが、日本カストディ銀行の不正問題だ。特集『金融 人事コンフィデンシャル』#4では、トップ人事を巡る水面下の動きと、次期社長候補の実名を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

第三者委がCBJ部長級にヒアリング
「DX利権」の真相解明につながるか

「CBJ問題がうちのトップ人事に影響するのは間違いない。第三者委員会の調査は、いつ爆発するともしれない時限爆弾だ」

 三井住友信託銀行の現役社員がそう話す。

「CBJ問題」とは、同行持ち株会社の三井住友トラスト・ホールディングス(TH)が出資する日本カストディ銀行(CBJ)で昨年発覚した不祥事のことだ。

 田中嘉一前社長が日本アイ・ビー・エムや野村総合研究所などITベンダーを介し、業務委託費を得ようとした不正行為が明らかになり、社内調査を実施。だがその後、金融庁に再調査を要求され、CBJは昨年10月、外部弁護士のみで構成する第三者委を設置した。

 第三者委はこれまで、CBJのシステムや企画に関わる部長級へのヒアリングを重点的に進めているもようだ。

 しかし冒頭の社員が話すように、CBJ問題が三井住友THの高倉透社長や、信託銀行の大山一也社長らトップ人事にまで影響を及ぼすのは、一体なぜか。

 次ページでその理由と、次期社長候補の実名を明らかにする。