三菱UFJフィナンシャル・グループで12月中旬にも、新体制が発表されそうだ。国内のみならず、アジアでもトップバンクとなったMUFGの首脳人事は、2024年においてマイナス金利解除と並ぶ銀行業界最大の関心事と言っても過言ではない。最有力とされる首脳候補者の経歴を分析すると、5年前になくなりつつあった不文律が復活することになりそうだ。特集『金融 人事コンフィデンシャル』の#5で、実名とともに解説していく(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
三菱UFJで新体制公表間近
トップ4人事で不文律復活へ
12月中旬にも、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)における2025年4月から4年間の、トップ4人事が発表されることになりそうだ。
トップ4とは、フィナンシャル・グループ(FG)会長と社長、それにグループの中核会社である三菱UFJ銀行の会長と頭取を指す。MUFGは国内のみならず、アジアでもトップバンク。そのトップ4の面々は日本の金融界の代表的存在でもあり、業界内では10月ごろから誰が就任するのかについて、注目が高まっていた。
トップ4の顔触れを予想するには、MUFGに存在する不文律を理解する必要がある。不文律はMUFG発足以来、厳に守られてきた組織のおきてであり、故に「MUFGのトップは数代先まで予想できる」といわれてきた。
そんな中、前回のトップ4人事の際に異変が起きた。四つあった不文律の一つが破られかけたのだ。
そして今、再びトップ4の交代時期が訪れた。果たして不文律は守られるのか。現在、選考過程で最有力候補と目される4人の経歴を分析すると、破れかけていた不文律が復活しており、発足以来の伝統的な定石を踏むことになりそうなのだ。次ページで最有力候補者の実名とともに、詳しく解説していく。