このような女性の違いがどこから生じるかについてヒントを与えてくれたのが、婚活パーティーの運営側の方が指摘した、「恋愛経験が少ない人のほうが婚活でうまくいく」という経験則です。

 マッチング・アプリや婚活パーティーを上手く使えるか、上手く使えないかの明暗は、女性自身の「恋愛経験の程度」と、婚活に関わる各種のサービスを経験していくうちにどれくらい「選り好み」が激しくなっていくのかという「こじらせの程度」によって決まるというのが、婚活を実際に経験した分析になります。

 恋愛経験が一定以上ある(=恋愛強者)女性にとって、マッチング・アプリや婚活パーティーは、その仕組みの特性から高飛車になる自分に違和感を感じるとともに、男性側のパターン化された行動に嫌気がさしてしまう状態にさせるツールなのかもしれません。

 使用してみた結果、これまでのように通常の人間関係の中で恋愛感情を育める人を探し、結婚を目指すほうがよいと考え、マッチング・アプリや婚活パーティーから離脱していく「恋愛重視派」の女性が多いように見えます。

 彼女たちは恋愛強者であるがゆえに、「まず、条件を整えた出会いが用意され」「恋愛感情の前に、結婚相手として適切な男性であるかを判断する」という、婚活市場に適応できないと考えられます。

 もちろん「恋愛重視派」の女性たちは、過去の恋愛経験から、日常生活の出会いの中で恋人や配偶者候補を見つけ、恋愛関係を構築していくことに自信があるため、婚活市場からの撤退を決断できるともいえます。

 それに対して、恋愛弱者の女性の場合、恋愛関係を作ること自体が苦手な(あるいは、結婚できるか否かがあやふやな状況で恋愛関係を構築するのが怖い)方です。

 それゆえ、恋愛弱者の中でも「結婚したい明確な理由」と「結婚したい相手の条件」が定まっている方にとっては、恋愛云々をすっ飛ばして結婚を前提に男性と出会えて、交際できる婚活市場は快適な環境であると考えられます。いわば、「就活としての婚活派」でしょう。

女をこじらせる引力を持つ
婚活市場を有効活用するには

 しかしながら、ここまで繰り返し指摘しているように、婚活市場で女性は急激な「モテ体験」を得るとともに、「パターン化された男性の行動」に辟易としていく中で、女性は程度の差こそあれ男性を厳しい目線で評価して選り好みする「こじらせ」を発症させてしまいます。