機械業界イメージコア技術を持つ「強い会社」が多い、機械業界の採用動向とは Photo:PIXTA
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2024」の「親子で考える キャリアを実現する業界・企業選び」を転載したものです。

「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第2弾は「新しい時代のモノづくりで世界をリード」として、「機械業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

 グローバルシェアが高い企業も多い機械業界には、工作機械、建設機械、農業機械、半導体製造などの精密機械といったさまざまな分野がある。基本的に、企業の設備投資に連動して市場が変化する。

 この業界では多角化は少ない。技術、マーケティング、開発など、どこに自社のコアの強みがあるかを見いだして注力しているからだ。強みを徹底的に磨く選択と集中がメジャーな経営手法である。

 最近のメガトレンドは、業務の自動化、AIを活用したソリューションビジネス、EVも含めた環境対策に関連する最先端技術だ。 

 中でも自動化への設備投資が業界をけん引している。例えば、製造ラインを自動化すれば、人手不足を補いつつ、現場の繁閑に簡単に対応でき、人件費も抑えられる。

 他にも、自然災害時の流通を維持するためのサプライチェーンの再構築、海外からの物流を効率化するための生産基地の現地化などにおける設備投資も盛んだ。

メリットを説明できる
マーケティング力が必要

 人材面では、昔から理系が技術職、文系が管理・営業職という流れがあるが、技術に詳しい人間が営業を行うケースもある。

 これから求められるのは、技術開発や提案営業の際に顧客サイドの商流を理解しているか、どんなマーケティングチャネル(メーカーが商品を顧客に届けるまでの経路)を利用すれば技術を最大限に活用できるかといった、先々を読める目線を持つ人材だ。

 最近は、業務改善や環境対策などのソリューションビジネスに転換するメーカーも増えている。ケースによっては、他社製品とのコラボで進めるプロジェクトも出てくるだろう。「単純に製品の性能の良さだけではなく、顧客が得られるメリットを説明できるマーケティング能力が大事」(野村證券アナリストの前川健太郎氏)だ。