「J2から抜擢」された若手も!
タイ戦に招集された注目選手

 初招集組の1人、攻撃的MFの伊藤涼太郎(ベルギー/シントトロイデン)は、Jリーグのアルビレックス新潟でブレークし、今夏に海外移籍を果たした逸材だ。今年前半から代表への待望論があった。

「これまで招集していない選手も含めて、広い範囲で日本代表として戦える選手を見ています。(伊藤は)新潟からシントトロイデンと(ステップアップし)、代表の戦力としてふさわしい選手だと思ってきたなかで選出しました」

 伊藤の抜擢理由について、森保監督はこう明かしている。

 また初選出組のなかには、代表選手としては異色の「J2から抜擢」された選手もいる。

 J2・ヴァンフォーレ甲府のディフェンダー、三浦颯太(みうら・そうた)だ。23歳の三浦は甲府で左サイドバックとして奮闘し、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の決勝トーナメント進出に貢献。その活躍が認められ、追加招集という形ではあるが、このたび日の丸を背負うこととなった。吉報が届いた2日後にはJ1・川崎フロンターレへの移籍も発表されている。

 彼らに加え、もちろん代表経験がある若手選手たちにも要注目だ。

 その一人が、ボランチの佐野海舟(さの・かいしゅう/鹿島アントラーズ)。「相手からボールを奪う力」に秀でており、前所属のFC町田ゼルビア時代から高い評価を受けてきた。その能力を、鹿島へ移籍した今シーズンも存分に発揮。23年の11月シリーズでは追加招集という形ながら、初めて代表入りを果たした。

 ミャンマー代表とのW杯アジア2次予選初戦(11月16日)では、前述した主力選手・鎌田大地が腰痛で途中交代を余儀なくされた。佐野はこの事態を受け、後半開始から鎌田に代わってA代表デビュー。自分の武器を発揮し、物おじしないプレーを披露した。

「こうして国を背負って戦えるのは、本当にすごいことだとあらためて思えました。責任感の大きさやプレッシャーはもちろんありますけど、そのなかでもっと、もっとやっていきたい」。ミャンマー戦後にこう語り、森保ジャパンへの生き残りを誓った佐野は言うまでもなくタイ戦にも招集された。