伊東純也や堂安律ら
タイ戦に呼ばれた主力にも期待大

 森保監督はテレビに映されている衆人環視の状況下で、一選手である久保の意見に耳を傾けたのだ。そう森保監督が明かせば、久保も代表指揮官の貪欲な姿勢に大きな感銘を受けたと明かしている。

「代表を強くするために、監督もいろいろな選手たちに話を聞き、いろいろなことを融合させようとしている。そこに一個人の選手がもたらせるものがあるのならば喜んで、という感じです」

 なお、上記の毎熊も、元日のタイ戦に招集されている。久保のアドバイスを生かしてどんなプレーを披露するのか注目である。

 話を戻すと、代表が一気に強くなった三つ目の理由は「中心選手たちの成長と、周囲に与える『良い刺激』」だ。

 22年のカタールW杯は決勝トーナメントに進出しながら、PK戦の末にクロアチア代表に敗退。目標にすえていたベスト8進出を逃した。三笘を含めた多くの選手が涙し、北中米の3カ国で共催される26年の次回W杯へ向けて、選手それぞれが所属クラブで個の力を上げていくと誓いを立てた。

 23年に入ってから目覚ましい活躍を演じた久保は、レアル・ソシエダを最高峰の舞台、今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグへ導いた。三笘もブライトンでプレミアリーグを席巻し、チャンピオンズリーグの一つ下の大会、ヨーロッパリーグ出場に大きく寄与している。

 久保と三笘以外にも、昨シーズンは多くの欧州組が所属クラブの上位進出に貢献。その結果として、今シーズンはクラブレベルでも欧州の国際大会を戦うことができている。未知の敵を相手に積んださまざまな経験をさらなる成長への糧に変えて、森保ジャパンに招集されたときには進んで還元している。

 元日のタイ戦には三笘や久保らは不在だが、前述したように伊東や堂安、浅野拓磨らの主軸はメンバーに名を連ねている。元日決戦では、こうした主軸メンバーがいかにして新戦力とコミュニケーションを取り、チームにどんな影響を与えるかも見どころである。

 さらにフレッシュさを増した森保ジャパンは経験と刺激を共有し、お互いを高め合いながら、歴代最長記録となる国際Aマッチ9連勝を狙う。元日タイ戦の勝敗やいかに――。

注:代表メンバー及び所属は12月26日時点。メンバーの入れ替えや移籍などによって、代表戦当日までに変更が生じる可能性があります。