独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は10年近く前、コストのかかる探求の旅に乗り出した。ソフトウエア主導の自動車という新たな世界で支配的地位を占め、電動化された「大衆車」を作ることを目指したが、今なおその途上にある。VWは何十億ユーロもの資金を投じ、電気自動車(EV)への移行を支援するために全工場の設備を一新し、ソフトウエアや車載電池の新会社を立ち上げた。しかし同社の主力車種である「ビートル」や「ゴルフ」といったガソリン車の歴史的モデルの成功に匹敵するようなEVを同社はまだ作り出せていない。EV旗艦モデル「ID.」シリーズは予想したほど売れていない。VWは50年の歴史を持つゴルフの生産を終了しないことに決めた。現在はゴルフの完全電動モデルを開発中で、2030年までに発売できるとしている。