睡眠の問題を解決するのは
難しいことではない

 心身の健康にも日本経済にも大きなマイナスとなるのが睡眠不足です。気づかないうちに蝕まれ、寝不足が続くことでどんどん睡眠負債が溜まります。すると、睡眠不足に慣れ、これでいいのだという間違った認識が定着してしまいます。

 睡眠不足は、自分自身を客観的に正しくみられない状態であり、自己管理能力の欠損といえます。それでも睡眠不足を続けていること自体が、自己認識力や自己管理能力の欠損を物語っています。

 自己管理とは、自分の時間、健康や体調、体型や姿勢、モチベーションや感情、経済状況などをコントロールすることです。睡眠不足になるのは時間の管理ができていないからであり、健康や精神面に支障が出たり、本来必要のない出費もかさみます。

 それでも「自分はしっかりやれている」と間違った自分を認めることは、自己肯定感があるようで、実は自分を正しく認識していないことでもあります。本当の自分の能力よりも低いところで満足し、本来の能力が発揮できていないにもかかわらず、これが自分だと思っています。

 睡眠に問題があるまま放っておいている状態は、ダメな自分のままでいいということ。健康でなくてもいい。仕事ができなくてもいい。周囲に迷惑をかけてもいい。楽しい毎日、充実した人生なんていらないということです。

 それならそれでいいと思ったり、睡眠を変えるだけで自分自身や人生が変わるわけがないと思うのならば、それも睡眠不足からくるマイナス思考かもしれません。

書影『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』(アチーブメント出版)
加藤俊徳 著

 睡眠の問題を解決するのは難しいことではありません。時間が足りないなら、1日の時間を割り振ればいい。眠れない理由があるのなら解消すればいいだけです。

 今では手軽に、睡眠中の状態を計測することができます。自分の睡眠をデータ化し、問題を解析することができます。睡眠に対する不満や問題に気づき、それを解決するだけです。

 自分の問題に向き合い、これまでの行動を変え、不眠中毒から抜け出す。それをするか、しないか、だけです。自分を変えられない人は、不眠を治せません。本来あなたが手にすべき能力や健康、充実感を得ることができないのです。