帯状疱疹を予防するワクチンは2種類
50歳を過ぎたら接種の検討を

 最近、帯状疱疹予防ワクチンのコマーシャルが頻繁に放映されています。このワクチンはどういったものなのでしょうか。

「これまで帯状疱疹のワクチンは、毒性を弱くしたウイルスを体内に入れる生(なま)ワクチンが主流でした。生ワクチンには副反応も少なく、1回の接種で済む手軽さがありますが、免疫抑制剤、抗がん剤などを使っている人は接種を受けられないのがネックでした。これに対して新しく出てきたのが不活化ワクチンです。これは帯状疱疹に罹患しやすい免疫抑制剤や抗がん剤などを使っている人も接種を受けられる上、予防効果も生ワクチンに比べて高いという利点があります」

 2回の接種が必要なこと、副反応が比較的強いこと、価格が高いことが難点でもありますが、予防効果は高いです。ワクチン接種の費用は全額自己負担ですが、自治体によっては助成制度もあるので一度調べてみてください。

「そもそも帯状疱疹になること自体が、体が疲れていたり、免疫が下がっていたりする状態ですから、できるだけ安静にし、ゆっくりと疲れを取ってリラックスを心がけましょう。また、血行を良くすると痛みが和らぎます。ストレッチや入浴、蒸しタオルを当てるなどして、温めるようにしましょう。神経質にならずに、無理のない範囲で通常の生活を送るようにしてください」

 痛いからといって冷やすことは厳禁です。また、水ぶくれが破れると細菌感染症にかかりやすくなります。化膿を防ぐためにも患部には触らないようにしましょう。最後に先生から、アドバイスです。

「帯状疱疹になったことをきっかけに、何か病気が隠れていないか、人間ドックに行ったり、健康診断を受けたりするのも良いでしょう。帯状疱疹は、早い時期に医師の適切な治療を受けることで症状を軽くし、合併症や後遺症を防げる病気です。『もしかして帯状疱疹かも?』と思ったら、早めに医療機関を受診することが重要です」

(監修/木村有太子 順天堂大学医学部皮膚科学講座非常勤講師)