日本人に多い「がん」のベスト3は?

 大腸がんの手術では、がんのある部位の大腸を切除して摘出する。ステントが挿入された後の手術で、大腸を切り開いてステントを外してみると、そこにはまるで焼き目が入ったステーキのごとく、格子状に押しつぶされた禍々しい腫瘍を目の当たりにできる。破壊されてもなお網目の中へ増殖し、成長を続けようとするがんの姿はまさに忌々しい。

 ちなみに、日本人に多いがんの第一位は大腸がんであり、胃がんは第三位である(第二位は肺がん)。よりによって、迂回路のない長い一本道にがんができやすいというのは、何とも喜ばしくない話である。

(本原稿は、山本健人著すばらしい医学を抜粋、編集したものです)

山本健人(やまもと・たけひと)

2010年、京都大学医学部卒業。博士(医学)。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、感染症専門医、がん治療認定医など。運営する医療情報サイト「外科医の視点」は1000万超のページビューを記録。時事メディカル、ダイヤモンド・オンラインなどのウェブメディアで連載。Twitter(外科医けいゆう)アカウント、フォロワー約10万人。著書に18万部のベストセラー『すばらしい人体』(ダイヤモンド社)、『医者が教える正しい病院のかかり方』(幻冬舎)、『もったいない患者対応』(じほう)、新刊に『すばらしい医学』(ダイヤモンド社)ほか多数。
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