総予測2024#63Photo:PIXTA

コロナ禍を機に若年層の受験者数が急増している税理士業界。今後もこのペースは持続するのか。また有望な業務はどのような分野なのか。特集『総予測2024』の本稿では、高まる税理士業界人気の背景と今後に迫った。(ダイヤモンド編集部服編集長 片田江康男)

コロナ禍で悩み一掃
税理士人気が急上昇!

 税理士試験の受験者数が急増している。2023年度の必須2科目である簿記論と財務諸表論の受験者数は延べ2万9353人で、前年度比27.5%増となった。20年度を底に、22年度まで微増だったが、一気に増加したのだ(下図参照)。

 近年、税理士業界は不人気と高齢化に悩まされてきた。20年度までの10年間で受験者数はほぼ半減、資格を保有する税理士の半数以上が60歳以上というありさまだった。

 この状況に危機感を募らせた日本税理士会連合会は、全国15大学で税理士による租税講座を開講するなど、若者に税理士に関心を持ってもらうために、涙ぐましい努力を続けてきた。

 だが新型コロナウイルス感染症のまん延が、長年の悩みを一気に吹き飛ばした。大学が休講になり、ステイホームを余儀なくされた学生の資格取得熱が高まったのだ。実際、23年度の税理士試験全科目の受験者のうち、25歳以下の受験者数は7023人と、前年度から42%も増加している。

 次ページでは、税理士人気を高めているもう一つの理由と、増えつつある新たな“稼げる仕事”について詳しく解説していく。