倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#38Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#38では、第15弾として、千葉県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

千葉県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
千葉銀行、京葉銀行が倒産させた企業は何社?

 千葉県最大の金融機関、千葉銀行の佐久間英利会長が3月31日付で会長を退任した。6月開催予定の定時株主総会終了後には取締役も退く。

 佐久間氏は2009年から21年まで頭取を務め、その後会長に就いた。地方銀行の総本山、全国地方銀行協会の会長にも、12年と17年に2回、就いている。現在は、千葉県商工会議所連合会の会長も務めている。

 その佐久間氏が千葉銀行の会長・取締役を退任するのは、不祥事を起こしたためである。昨年6月、千葉銀行と傘下のちばぎん証券は、高リスクで複雑な仕組み債の販売を巡って、金融庁から業務改善命令を受けている。この命令で、経営責任の明確化を求められていた。

 佐久間氏は、これまで武蔵野銀行(埼玉県)や横浜銀行(神奈川県)との業務提携なども主導してきた。地銀業界で大物経営者と見なされてきた佐久間氏がいなくなった後、千葉銀行は海図なき航海を迫られることになる――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第15弾の今回は、千葉県の金融機関を取り上げる。千葉銀行、京葉銀行、千葉興業銀行のほか、千葉信用金庫などの信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが千葉県の銀行なら、千葉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の千葉県の結果を確認していこう。