メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#67では、第44弾として、長崎県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
長崎県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
十八親和銀行、長崎銀行が倒産させた企業は何社?
47都道府県中、上場企業がゼロの県が一つだけ存在する。長崎県だ。
十八銀行と、親和銀行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)が2019年に経営統合。県内唯一の上場企業だった十八銀行が上場廃止となって以来、この状況が続いている。
それだけではない。長崎県に地方銀行は2行あるが、そのどちらも福岡県の地銀グループ傘下になっているのである。
十八銀行と親和銀行が合併してできた十八親和銀行は、福岡県トップの福岡銀行の持ち株会社、ふくおかFGが支配。もう一行の長崎銀行も、福岡県で2位に位置する地銀グループ、西日本フィナンシャルホールディングスの傘下に収まっている。
長崎といえば、坂本龍馬が幕末に日本最初の商社といわれる亀山社中を結成した地である。亀山社中は、後に海援隊に発展。三菱財閥を起こした岩崎弥太郎に大きな影響を与えたことでも知られている。
その長崎県に上場企業が一つもなく、他県に支配されていない独立系地銀も皆無なことには、一抹の寂しさを禁じ得ない――。
経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。
第44弾の今回は、長崎県の金融機関を取り上げる。十八親和銀行、長崎銀行のほか、たちばな信用金庫など信金も名を連ねた。
ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、これからも連日配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の長崎県の結果を確認していこう。