知られざる山奥の秘湯に一緒に入ろう!コロンビアで超豪快な「最も高熱な滝湯」につかる写真提供:地球の歩き方

海外・国内旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「知られざる山奥の秘湯に一緒に入ろう!コロンビアで超豪快な『最も高熱な滝湯』につかる」です。これまで訪ねた世界の温泉は約1200カ所。世界中の観光客が集まる人気の温泉から地元の人だけが知る隠れ湯まで、百の温泉を訪ねれば百の表情に出会えます。日本から遠い南米の山奥で見つけた豪快な「セタキラの湯滝」をご覧ください。(写真・文/鈴木浩大、監修/地球の歩き方

まずはセタキラの湯滝の近くにあるホテル
エリコニアス温泉をめざす

 南アメリカ大陸の北端に位置するコロンビア。「とても危険な国」というイメージを持つ日本人が多いのですが、2016年の内戦終結を機に状況は改善し、今では多くの観光客が訪れるようになっています。港湾都市カルタヘナの歴史的建造物群や、コロンビアコーヒーの産地としての文化的景観など、数多くの世界遺産にも恵まれています。

 コロンビアへはアメリカ国内を経由して訪れる人が多いようですが、筆者は東京からメキシコシティを経由し、アビアンカ航空に乗り換えて約5時間のフライトで首都のボゴタに到着しました。日本ではなじみがないかもしれませんが、アビアンカ航空はコロンビアが本拠で、南北アメリカの各都市を結んでいます。全日空などとともにスターアライアンスに加盟していて、オランダのKLM航空に次いで、世界で2番目に古い航空会社として知られます。

知られざる山奥の秘湯に一緒に入ろう!コロンビアで超豪快な「最も高熱な滝湯」につかる赤と白のコントラストが鮮やかなアビアンカ航空

 ボゴタは標高2600mに位置するため、飛行機を降りると何となく空気が薄いように感じます。目指す温泉はボゴタの北東約200km、ボヤカ県セタキラ村にあります。アンデス山脈に位置するボヤカ県は、冷涼で雨の少ない気候を生かしたジャガイモ栽培で有名です。

 セタキラの湯滝は川沿いにあるようですが、完全な野湯であり人工的な施設はありません。ただ、近くに湯滝から温泉を引いたホテル「エリコニアス温泉」があるようなので、まずはそこを目指すことにしました。コロンビアに日系の旅行会社があるのを知り、事情を説明して車の手配を依頼しました。とても珍しい依頼だったようで、ベテランの日本人ガイドが同行してくれました。

 ボゴタ周辺は慢性的な交通渋滞で、道路工事による片側交互通行も頻繁です。標高3000m地帯は濃霧で、未舗装の悪路が続くため、エリコニアス温泉までは予想以上に時間がかかりました。