儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態#10日本郵便の社員がトマトの生産から出荷までを行う「さやまるプロジェクト」は栽培技術が向上している 写真:日本郵便

ダイヤモンド編集部の恒例企画「中小キラリ農家ベスト20」は、担い手農家アンケート回答者の経営データを、面積当たりの収益性に着目して評価したものだ。今年は大和証券子会社や日本郵便など大企業の農場がランクインした。特集『儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態』(全17回)の#10では、農業ビジネスを検討している企業などの参考になるポイント満載のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

苗ビジネスや直販で稼ぐ!
大企業も続々と中小キラリ農家に

 ダイヤモンド編集部の恒例企画「中小キラリ農家ベスト20」は、担い手農家アンケート回答者の経営データを、面積当たりの収益性に着目して評価したものだ。

 必ずしも規模を追求しない中小キラリ農家の経営には、新規就農者やこれから農業を始める人の参考になるポイントがたくさんある。

 例えば、農産物を直接買ってくれる固定客を持っている経営者が多い。

 中小キラリ農家1位の薄井農園は減農薬や無農薬の完熟リンゴなどを自社ホームページなどで販売しており、価格帯は一般品の2倍以上だ。それでも価値を理解して購入するファンがいるからこそ、驚異的な利益率を実現できている。

 中小キラリ農家14位の寺坂農園も、メロンやアスパラガスの直売で儲かる農業を実現している。農業におけるダイレクトマーケティングのモデルとなっている寺坂祐一社長は、「23年は酷暑で減収となったが、黒字を確保でき一安心している。お客さまと直接つながった直販農家は強いと確信を深めた」と話す。

 次ページでは、中小キラリ農家ベスト20を基に、儲かる農業の秘訣に迫る。