エンジニアたちは問題を山ほど目にした。  何千台ものトラックと掘削機が毎日24時間の稼働を数週間続け、サウジアラビアが進める世界最大の建設プロジェクト「ネオム」の予定地で何十万立方メートルもの砂をどかした。捨てられた砂は巨大な山となり、幅は数十メートルに伸びていた。だがそこは、紅海へ通じる水路の工事予定地だった。  トラックと掘削機は再び作業に取り掛かり、捨てたものを再びすくって近くに新たな砂の山を築いた。高くついたこのハプニングは、サウジのプロジェクトが大胆なコンセプトとして始まり、無秩序に膨張する前途多難な事業へと変貌していく波乱に満ちた道のりを象徴している。