ゲーム会社のスクウェア・エニックス(以下「スクエニ」)が新中期計経営計画を今月中旬に発表した。ものすごく大まかに言うと、「ここのところ業績振るわなかったから心機一転がんばります」といった内容のもので、それが「再起動の3年間」といった言葉とともに説明されている。この新中期経営計画に含まれる具体的内容や、あるいはただスクエニの「がんばります」という表明を、現役スクエニファンのみならず昔のスクエニファンやゲームから離れて久しい人などがちょっと喜んでいる。どういうことか解説していきたい。(フリーライター 武藤弘樹)
多方面に刺さった
スクエニ「新中期経営計画」
まずここに3人のおじさんを紹介する。この3人の典型を通して見渡すことで、幅広い方位のゲーマーが喜んでいることが伝わるはずである。
この3人はFF(ファイナルファンタジー)とドラクエに育まれ、あの冒険の体験を在りし日々の至高の時間として記憶している中年男性(40~60代)である。そんなふうに同じ方向を向いていた彼らも、成長するにつれてスクエニとの関わり方をそれぞれ少しずつ異にしていった。
今でもリアルタイムで両シリーズの新作を追いかけているAさん。両シリーズをそこそこ追いかけていたが、子どもが生まれた頃からスクエニから遠ざかっているBさん。そしてスクエニからすっかり遠ざかって久しく、『ドラゴンクエスト』シリーズ(以下「ドラクエ」)はまだしも『ファイナルファンタジー』シリーズ(以下「FF」)はもうやらないだろうなあと考えていた、任天堂信者のCさん。この3人である。なおかく言うCさんは、筆者である。