現在任天堂に傾倒中の
往年のスクエニファンの反応

 筆者はプレステではなく任天堂ハード(64やゲームキューブ)の方に流れていったので、FF・ドラクエがPSでリリースされるようになってから一気に疎遠になった。

 FFもドラクエもそのうちのいくつかは、発売後数年してから友人にハードごと借りてプレイし、無事クリアして「面白かった」とは思ったが、あの頃感じていたようなときめきはなかった。これはもう、色々な感覚が鈍麻してきた大人だったからというのもあろうが、発売直後の世間の熱気の中でプレイするのとそうでないのとでは、ゲーム体験そのものが変わる可能性も指摘しておきたい。

 だからBさん同様、スクエニのマルチプラットフォーム化は大歓迎である。

 今でこそ任天堂信者のごとくなっているが、あの頃抱いたスクエニへの畏敬の念は嘘ではないし、Bさんの「老後一気に全制覇」のアイディアは聞いて真似したくも思った。任天堂ハードでFF・ドラクエ新作がプレイできるなら、完全に「やりたいゲーム」として視野に入ってくる。
 
 FFに関してやや気持ちが遠くなっていたのは、FFのキャラデザが、プレステに移行した『FF7』あたりから徐々に変わっていったからである。キャラがなんというか、ホストというかV系というか、そっちの方向にシフトしていって、別にホストが嫌いとかそういう話ではまったくないが、そのルックスが筆者の中の「王道RPG」のイメージとしっくり混じらなかったのである。

 なおFFが導入したグラフィックの見せ方や方向性は今日に至るまでのゲームに多大な影響を与えているし、そのベクトルで売り上げも芳しかった。

 だから単純に、筆者が価値観のアップデートに失敗しているともいえるし、筆者の趣向と異なる方向にFF・ゲーム業界が進化していったとも言える。