「特にFFは、その時代の最先端の技術やグラフィック、システムなんかがウリなところもあるので、新作発売直後にプレイするのと、発売からしばらく経ってプレイするのって意味合いが違う。最前線から少し離れただけで、もう浦島太郎になったように感じられる」とBさん。
とはいえ、未プレイのナンバリングタイトルをいつかはやりたい気持ちもあるそうだ。
「子どもができてからライフスタイルが変わり、プレイする時間を確保できないうちにスクエニから遠ざかってしまった。老後引退して時間ができたらFFとドラクエ両シリーズ作を全制覇するのもいいなと夢見ていた。現在ゲーム欲は、子どもと共用のニンテンドースイッチとスマホゲーで満たせている」(Bさん)
冒険心を奮い立たせる
マルチプラットフォーム展開
そのBさんが今回のスクエニ新中期経営計画に心動かされたのは、「マルチプラットフォーム展開を強力に推進」と明記された点である。
かつてFF・ドラクエ両タイトルは、ファミコン、スーファミ、PS(プレイステーション)、PS2を持っていれば遊ぶことができた。しかしたとえば『ドラクエ9』はDS、『FF13』はPS3とXbox 360で発売されるなどして、プラットフォーム(ゲームのハード)をお互いうろちょろし始めた。
ハードはお高いので、現行プラットフォームを2つ以上所有するのは猛者の所業で(携帯用ゲーム機はやや事情が違う)、一般的なゲーマーは自然に「それならこのハードにしよう」とおのれの帰属するプラットフォームを1つ見定めて、えいやと買うことになる。つまり、見切った方のプラットフォームとはだいぶ疎遠になる。
「うちはすでにニンテンドースイッチがあるので、まさかもう1台プレステやXboxを買うことなど検討したこともない。でもスクエニの発表通り、今後FF・ドラクエの新作がどのハードでも横断的にリリースされるなら、プレイのハードルは一気に下がる。『ニンテンドースイッチでダウンロードしておいて、子どもが寝たあとにちょっとやろうかな』くらいには容易に思えたので、夜な夜な冒険できる日々が訪れるかもしれない」とBさんは語った。