米電気自動車(EV)大手テスラは来たる年次株主総会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の巨額の報酬を認めるかどうかを再び決議する。もし本コラムに議決権があるとすれば(実際にはない)、反対票を投じるだろう。争点となっているのは、2018年に承認されたマスク氏の報酬パッケージだ。最新の株価で460億ドル(約7兆1800億円)に相当するが、あらゆる点で釣り合いが取れていない。これは、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の23年の米CEO報酬ランキングで首位となったブロードコムのホック・タン氏が稼いだ金額(1億6200万ドル)の約300倍だ。また、今年の予想額(225億ドル)を含め、テスラが創業以来生み出してきた年間フリーキャッシュフローの2倍を超える。そして、持ち株の希薄化を通じてその代償を払うことになる株主にとって極めて重要なのは、それがテスラの時価総額(5570億ドル)の約8%に相当することだ。