笑っていると、脳が楽しく感じる
「仕事は楽しく」が私のモットーですが、楽しくないときだってあります。
そんなときは、「全然楽しくない!」と叫んで笑ってみます。
昔は「笑い袋」というおもちゃがありました。
布製の袋のなかの機械のボタンをギュッと押すと、袋がいきなり「ワッハッハ」と笑い出すのです。
最初は「何これ?」という感じですが、袋は1分近くも笑い続けるので、そのうちになぜかおかしい気持ちになり、まわりの人もみんな一緒になって笑ってしまうのです。
私は専門家ではありませんが、人間の脳には「笑っていると脳が楽しく感じる」という仕組みがあると聞いたことがあります。
笑うことによって心を楽しくする脳内物質のセラトニンやドーパミンが分泌され、脳が「楽しい」と勘違いするといいます。
「笑う門には福きたる」ということわざのとおり、毎日笑ってすごすほうが、楽しく幸せな人生を送れるわけです。
ですから、仕事が楽しくないとき、落ち込んだときにはだまされたと思って笑ってみてください。
嫌なことがあったら「嫌なことばっかりだね」と笑う
男性のなかには「そんなときに笑うなんてふざけている」「辛くたっていつもどおり仕事をこなすのがプロというものだ」と、拒否反応を示す人がけっこういます。
でも、人間は感情を持った生き物であり、ロボットのように淡々と仕事ができるわけではありません。
笑うことで気持ちがポジティブになり、自分が楽になるのなら、堂々と笑えばいいのです。
以前、ある方の講演に行ったとき、
「仕事というのは大変なのが当たり前だ。仕事を楽しくしようと言う人が最近多いが、その考え方は大間違いであり、楽しい仕事なんかあるわけない」
という持論を展開していました。
私とは正反対の考え方ですが、間違っているとは思いません。
仕事が楽しいとは思わないけれど、家族のためにがんばっている人はたくさんいるでしょう。
そうやって嫌なことを我慢しながら仕事をすることを否定する気持ちはありません。
私だって仕事をしていると嫌な思いをすることはたくさんあります。
でも私は、ネガティブな気持ちを抱え、「楽しくない」と思いながら仕事をすると疲れてしまうので、嫌なことは我慢しません。
そう思っていたら、嫌なことがあったら自然と「嫌なことばっかりだね」と笑ってしまうようになりました。
嫌なことは笑い飛ばしたほうが楽になるし、気持ちも前向きになれます。
笑って前向きな気持ちになると、本質も見えてきます。
「どうして私ばっかりこんな思いをしなくてはいけないの」と思っていたときには見えなかった自分の反省点に気づき、「今後、2度と同じ失敗を繰り返すものか」とステップアップできるわけです。
そうなれば、心から「いい勉強をさせてもらったね」と笑えるようになります。
笑って心のスイッチを切り替える技術を身につけると、どんなに大変でも、どんなに嫌なことがあっても、どんなに理不尽なことがあっても、その状況を楽しめるようになるのです。
これができると、本当に気持ちが楽になります。
笑いがもたらしてくれる効果は絶大なのです。
ですから、だまされたと思って、「笑い袋」と一緒に笑ってみてはどうでしょう。