ウクライナ侵攻、消耗戦で膠着状態
武器増産の発破をかけるプーチン大統領
ウクライナ侵攻はロシアの侵攻から3年目となり、このところはウクライナ軍の反転攻勢をしのいだロシア軍が東部国境で新たな侵攻を進めるなど優勢が伝えられるとはいえ、戦線は膠着状態が続く。
消耗戦の鍵を握るのは、戦車や弾薬、さらには無人機などの武器の増産や調達だ。
ウクライナの場合は、欧米の軍事支援に依存するが、ロシアのプーチン大統領は、有事の予備としていた戦車を戦線に復帰させる一方、国内の軍事産業に増産の檄を飛ばす。
最大の武器メーカーのロステックは昨年1年で、戦車生産を7倍、軽装甲車両の生産を4.5倍に引き上げるなど、24時間体制での操業が続く。
だがその一方で、工作機械は7割を中国からの輸入に依存するほか、武器システムの核になる半導体や無人機を海外に依存するなど兵站能力はいびつで、アキレス腱を抱える。
ただ政府のてこ入れもあり、ロシアの防衛産業は底力を見せている。