40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格#9Photo:amgun/gettyimages, PIXTA

高卒や専門学校卒、短大卒であっても才能豊かで、社会で活躍している人は数多くいるが、より高みを目指して大学院卒の資格を得る人も少なくない。いわば、社会人の学び直しや学歴刷新だ。そこで、特集『40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格』(全17回)の#9では、高卒から院卒に「ワープ」できる、非大卒の受け入れに寛容な名門大学院を紹介しよう。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

学歴コンプレックスを吹き飛ばせ!
最終学歴を「高卒から大学院卒に」

 かつて大学院といえば、学者を目指すエリートのための場だった。故に、大学院の入試では、外国語2科目の和訳と専門科目、面接などの高いハードルが課されていた。

 だが、今はそうではない。1990年代に文部省(現文部科学省)が大学院の拡充政策を打ち出したことにより、専門職大学院や学部を持たない独立研究科などが多数誕生し、大学院への門戸が大きく開かれ、多様な人材を受け入れるようになったのだ。

 それに伴って、大学院入試も様変わりした。原則として研究計画書の提出は必要ながらも、小論文と面接だけや、面接のみで合格できるような名門大学院もあるほどだ。故に、学部卒生だけでなく、社会人による大学院入試も活発化している。

 実際、その進学理由はさまざまだ。社会人の大学院受験事情に詳しく、『「学歴ロンダリング」実践マニュアル』(オクムラ書店)の著者である赤田総合研究所の赤田達也氏によれば、「興味のある分野を深く研究したい人だけでなく、最終学歴を名門大学の名前にしたい人や、社会人として成功を収めたものの高校しか卒業しておらず、学歴コンプレックスを抱えている人たちが大学院に進学する時代になっている」という。

 興味のある分野を深く研究し、より高みを目指した例としては、日本が誇る最高学府の東京大学の教授にもいえる。例えば、東大大学院経済学研究科・経済学部の柳川範之教授は、大学入学資格検定(現高等学校卒業程度認定試験)に合格して慶應義塾大学経済学部の通信教育課程を卒業し、東大大学院を経て現在の地位に就いている。

 また、ジャーナリズム研究で有名な東大大学院情報学環・学際情報学府の林香里教授は、南山大学を卒業した後、ロイター通信を経て東大大学院を卒業している。

 このように、大学院という学歴は人生を大きく左右する存在といえる。ましてや高卒などで学歴コンプレックスがある人にとってはなおさらだ。しかも、大学院をつぶさに見ていけば、いわゆる早稲田大学やMARCHといった難関大学の大学院にもそのルートは開かれている。

 そこで、次ページでは、高卒など非大卒からいきなり大学院に「ワープ」できる、多様性を求めている有名な大学院を紹介しよう。