40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格#16Photo:PIXTA

MBAホルダーを目指す中高年が増えている。近年は修士号にとどまらず博士課程に進む中高年の姿も散見されるという。それだけに人気ビジネススクールの入試倍率は5倍を優に超える。そこで、特集『40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格』(全17回)の#16では、後悔しない志望校の選び方を伝授する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

人気校の入試は倍率5倍超え!
失敗しない志望校選びを伝授

 社会人の「MBA(経営学修士)」の人気がとどまるところを知らない。

「コロナ禍を契機にMBAを目指す社会人が急増したが、コロナ禍が終息に向かう中、入試倍率は高止まりしたままだ」と話すのは、大学院受験予備校、河合塾KALSの鄭龍権講師だ。

 その背景にあるのは、「これまで『社会保険労務士(社労士)』や『キャリアコンサルタント』などの資格取得でキャリアアップを目指していた社会人の“新たな選択肢”として、MBAが浸透したこと」と鄭氏はみる。

 事実、首都圏の主要ビジネススクールにおける社会人受験者が多い夜間主(パートタイム)の入試倍率を見ると、コロナ禍前の2019年度は3倍未満が常だったが、23年度は一橋大学大学院経営管理研究科経営管理プログラムが5.62倍に、また早稲田大学大学院経営管理研究科(夜間主総合)が4.24倍になるなど、軒並み難化している。

 社会人がMBAに殺到する理由は、20代後半~30代前半の若年層の場合、管理職に上がる前のキャリアアップのため。一方、中高年の場合はこれに加えて、「将来的な起業など、セカンドキャリアを見据えた動機も少なくない」(鄭氏)という。

 また近年の変化として、まずコンサルなど特定の業種にとどまらず、幅広い業種からMBAを目指す社会人が増えたこと。またMBA取得後、さらに進学して博士号(DBA)を目指す人が徐々に増えていることが挙げられる。50代以上で博士課程に進む主な理由は、セカンドキャリアとして自身のキャリアと学位を掛け合わせて大学での研究職を目指すことにあるとみられている。

 次ページでは、難化するビジネススクールの後悔しない中高年向けの選び方や、キャリアアップを目指す社会人の間でひそかに注目が高まっているMBAと人気資格が一石二鳥で取れる方法を明らかにしよう。