40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格#15Photo:PIXTA

ビジネスの現場で長年キャリアを積んできた中高年の経験を生かしやすい資格が、社会保険労務士(社労士)など経営・労務系の資格だ。そこで、特集『40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格』(全17回)の#15では、そのお薦めの資格を紹介する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

中高年のキャリアを生かせる
三つの「経営・労務」分野の資格

 ビジネスの現場で長年キャリアを積んできた中高年ならば、全く畑違いの分野の資格よりも、自身の経験が生きる資格を目指した方が効率が良い。

 まず、40代以上の中高年が合格者の過半数を占める、経営コンサルタントとして唯一の国家資格である「中小企業診断士」から見てみよう。

 この資格は、経済学・経済政策や企業経営理論、財務・会計、経営法務、経営情報システムなど7科目について幅広く学んだ、中小企業経営のエキスパートであることを証明するものだ。そして、中小企業診断協会が主催する診断実務などのセミナーに参加して経験を積み、人脈をさらに広げる努力をしていけば、独立も夢ではない。

 近年その人気は右肩上がりで、1次試験の合格率も30%前後で難化傾向にある。

 1次試験は先の7科目を満遍なくこなす必要があり、総得点が満点の6割以上、かつ全科目とも4割以上の得点を取らねばならない。もっとも、科目合格制度が導入されているため、1次試験は不合格であっても、6割以上得点した科目は科目合格となる。

 より難関なのは2次試験。2次試験は事例が書かれた問題文を読み、どのような診断や助言をするか論述する筆記試験のため、高度なコンサルティング能力を試される。実際、2次試験の合格率は1次よりも低く、2023年で18.9%と例年20%を下回る水準となっている。

 もっとも21年から、1次試験合格者と1次試験科目合格者に対し、それぞれ「中小企業診断修得者」「中小企業支援科目合格者」という対外的に使用できる新たな名称ができた。それまでは、2次試験に合格し、実務補習または実務従事(15日以上)を経なければ中小企業診断士登録ができなかったが、それに至らずとも特定分野における知識を証明できるようにした格好だ。

 次ページでは、近年、中高年の間で密かに人気が集まっているという、中小企業診断士の2次試験が免除され、さらなる強力な肩書もダブル取得できる“裏ワザ”のほか、中高年で人気が高まっている「社会保険労務士(社労士)」と「キャリアコンサルタント」、そしてそれらの資格をパワーアップできる他の資格の組み合わせを紹介しよう。