また、反対意見が提示された場の雰囲気、そのときの気分に影響されることもあり、私はその場で完結することはしないようにしています。別の機会に、別の人に相談することになれば、改めていろいろなことを調べたり、検証したりするなど、その後のプロセスが生じ、ネクストアクションにつながっていきます。

「1週間行動できていない」のは
何をすべきかわかっていないから

「山中さん、実はこういう課題で困っているんです」

「なるほど、そうなんですね。課題はわかりました。それで、課題を検証するために最近どんな行動をしたんですか?」

 こう質問すると言葉に詰まってしまう人がいます。課題が見えているのに、それに対するネクストアクションが浮かばず、立ち止まってしまったという状態です。

 こういうとき、1つ目安として意識しておくといいのが「1週間」。1週間まったく行動できていなかったら、それは対処相談のシグナルです。

「何もやっていないのは、忙しかったから」

 という方も多いと思います。しかし、よくよく聞いてみれば、実は「何をやったらいいかわからなかったから」という方も多いのです。

 ネクストアクションが見えているときは、たいていの場合は何らかの行動を起こします。自分の課題に対するネクストアクションが明確であればあるほど行動しやすいので、忙しいことはあまり理由にならないんですよね。

 むしろ、ネクストアクションが見えないときや曖昧なときは、確信が持てないために優先順位を下げてしまいがちです。優先順位を下げてしまうと、その課題に向き合うコミットメントが下がってしまいます。

 事業は、常に手足を動かし続けることが大切です。

 立ち止まった時間が長ければ長いほど、それまで蓄積してきた情報は陳腐化していくもの。検証したことも、考えたアイデアも、他のことに時間を使っているうちに忘れてしまいます。1週間何も行動できていないときは、ぜひ誰かに相談してみてください。相談するというのも、物事を前に動かすための立派なネクストアクションですから。