「景気が悪い」「取引先のせい」「部下が悪い」…
他責ワードは自身を退化させる

 まず、経営者の場合、うまくいかない理由を自分以外に求めて話す人はダメな経営者です。

「ビジョナリー・カンパニー2」(ジム ・コリンズ著、日経BP)には、「成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つけ出す。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える」と書かれています。

 松下幸之助さんは経営の心得として「成功は運がよかったから。失敗は自分に力がなかったから」と話しています。

 私の経験からも、成功している経営者は、うまくいった時は「運が良かった」とか、「誰々さんのおかげです」と周囲に感謝し、失敗した時は景気が悪いとか、取引先のせいだとか、部下が悪いとか、他人のせいにせず、自分の至らなさを反省します。

 失敗した時は、失敗の原因を自分事に落とし込んで反省しない限り、成長が望めないことを知っているからです。