DX180社図鑑 株高&高給はどこ?#20Photo:Krongkaew/gettyimages

DXの進展で恩恵を受けるのが、人材サービス関連企業。技術者派遣や採用支援、フリーランスのマッチングなど、その業態は多岐にわたる。では、その中でもDXで特に恩恵を受ける「勝ち組」企業はどこなのか。特集『DX180社図鑑』(全31回)の#20では、アナリストの解説を交え、「知られざる本命銘柄」をあぶり出していこう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

DXブームを背景に
人材関連企業に商機

 DX(デジタルトランスフォーメーション)のブームは、ここ数年、IT企業の業績にとって大きな追い風となってきた。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとする“特需”だけでなく、今後もデジタル化の着実な進展が見込まれ、勢いはますます加速しそうだ。

 だが、その恩恵を受けるのは、何もシステムインテグレーターやシステム開発会社といった、純粋な“IT企業”ばかりではない。

 注目したいのが、人材関連企業だ。

「DXの進展により、不足するITの専門人材を企業がアウトソースする動きが活発化するほか、IT専門人材のニーズの高まりによって転職市場がより活況になり、年収帯も上昇することが考えられる。その結果、前者の観点では派遣会社が、後者の観点では転職支援企業などが恩恵を受けるといえるだろう」。大和証券の関根哲氏はそう指摘する。

 人材関連企業というと、例えば大手だとリクルートホールディングスといった企業が思い浮かぶかもしれない。だが、こうした大手企業の場合、事業の裾野も広いため、必ずしもDX人材の採用支援に関する売り上げの比率がピンポイントで高いわけではなく、その影響も全体の業績から見れば限定的だ。

 では、DXの進展による恩恵をとりわけ大きく受けるのはどの企業なのか。

 次ページでは、人材業界のトップアナリストら複数のアナリストへの取材を基に、DX人材関連銘柄として成長が見込まれる“有望企業”を、その根拠とともに解明していこう。

 必ずしも知名度が高いとはいえないが、DX人材関連を考える上で“ど本命”といえる企業も存在する。それらの正体を明かそう。