「アインシュタイン」や「ネイビーズアフロ」も
若手が芸を、生徒は人間性を磨ける場所にしたい
――塾講師には、芸人の後輩たちを起用されているそうですね?
若手芸人は生活するのが大変だし、芸人に理解ある環境やったら働きやすいじゃないですか。きちんと報酬を支払うことで、安心して芸人の活動にも取り組めますしね。
――生徒は、面白い先生から教わることができるので楽しそうですね。
そう思いますね。あと、僕自身が塾講師をした時に思ったんですけど、大人を笑わせるよりも子どもを笑わせるほうがえらい大変やなって。伝わる言葉の数も限られてるし、かといって、子どもだましじゃウケない。若手芸人にとっては、腕を磨く良い環境になってると思うんです。実際、この塾で講師をしていた芸人には、「アインシュタイン」の河井ゆずるや、「ネイビーズアフロ」、「ツートライブ」とか、今は人気が出て活躍している芸人も多いんですよ!
――この塾で講師をすると売れるというジンクスもあるとか?
そうなってくれたら嬉しいんですけどね。実際に今の講師陣にも、将来有望な若手芸人がたくさんいますよ。具体的に名前を言いたいんですが…若手すぎてコンビ名がわからへん(笑)。でも、子どもたちからは人気で、僕がたまに顔を出してもそっちのけですね。
――現在、塾の代表をされているのは、ピン芸人のがっき~さんですね。
がっき~は、『北斗の拳』に出てくるレイのキャラで、“あるあるネタ”をやってます。塾の代表でいろんなことをお願いしてるんで、このまま売れんといてほしい(笑)。売れて、塾からいなくなったら困りますから。
――講師に共通して伝えている指導方針はありますか?
僕自身は愛のムチに賛成派なのですが、こういう時代ですから生徒さんへの接触はナシにしようと。あと、勉強だけではなくて、それ以外の部分で気付いたことがあればしっかり話をして、人間的にも成長してもらえるようにしようと言っています。
例えば、生徒の男の子が、学校の窓ガラスを割ったって聞いたんで、これは話をせなあかんと思いまして。その子を呼んで、「今日は勉強はせんでええから、公園で話しよか」って。窓を割ったらアカンことは本人が一番よく分かってるんで、じゃあなんで割ってしまったんかと。エネルギーが有り余ってるんやったら、こういう発散方法があるぞって話をしました。
――つまり、生活指導のようなこともされている?
僕自身がそうであったように、勉強だけでつながっている関係よりも、それ以外の関係の方が面白いし、子どもの成長にもなると思うんですよ。だから、この塾で勉強のコツとか習慣を身に付けながら、人としても成長してもらえたら嬉しいですね。