2024年5月19日から27日までの9日間で、およそ120人の学生とともに、東京、京都、奈良、広島を回りましたが、「ハーバードの教材には書かれていなかったこと」を数多く体験することができ、想像以上にすばらしい旅行となりました。
※奈良はオプショナルツアー

 まず感動したのが、日本の公共交通システムのクオリティーです。あらゆるところに電車の駅があり、どこにでも電車を乗り継いで行ける。しかも車両も駅もとても清潔。アメリカの古くて不便な交通システムとは大違いでした。

 それから、日本の人たちの規律正しさは想像以上でした。どの駅にもいたるところに「右側通行」「左側通行」の表示や矢印があり、その場所によって「右側」「左側」が違っていたりするのに、人々が整然と表示通りに歩いているのにはびっくりしました。

 また訪問した都市や街が、全て独自の特徴を備えていたことにも驚きました。アメリカの都市はニューヨークとサンフランシスコ以外はどこへ行ってもほぼ同じ。食べ物も同じだし、街のエネルギーも同じ。ところが、日本は地方ごとに食べ物も違うし、街の雰囲気も全然違います。

 正直に言えば、最初に旅程表を見たときに、「なぜこんなにたくさん同じような観光地をまわるんだろう」と思っていたのです。でも旅行後は、日本人の同級生たちがこのような旅程を組んでくれた目的がよく分かりました。

 東京、京都、奈良、広島……訪れた都市にはそれぞれ独自の文化があり、全部、違っていました。しかも東京都の中でも渋谷と秋葉原は違うし、広島県の中でも広島市と宮島は違う。この街文化の違いは全く予想していなかったものでした。

 旅行中、各地の名物料理をたくさん食べましたが、その料理の多様性にも驚かされました。特に印象的だったのが、日本の人たちが同じ食材をさまざまな調理法で楽しんでいること。かき料理には、生がきもあれば、かきフライもある。穴子料理には煮穴子もあれば、天ぷらもある。日本には豊かで深い食文化があることを実感しました。

ハーバードの知性厳島神社近くの和食店ではかきフライと穴子飯を堪能した=2024年5月23日、広島県廿日市市 写真提供:スワプニル・ラッド
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 日本の観光地では、店先でお菓子を調理しているのを見られるのもいいですね。宮島で「もみじ饅頭」の店を通りがかったとき、あまりにおいしそうだったので、思わず買ってしまいました。もみじの形をした見た目も味も最高で、「もみじ饅頭」は間違いなく一番好きなお菓子になりました。