新型コロナウイルスの感染拡大で一気に火が付いたDXブームだが、足元で過熱した成長期待が落ち着くほか、グロース株の評価が相対的に落ち込むなど、DX関連銘柄は見極めのタイミングにある。そこで、特集『DX180社図鑑』(全31回)の#4では、3年後までの成長力に対し割安な銘柄をピックアップし、「いま狙い目」のDX銘柄をお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
小型グロース株に逆風が吹く中で
「高成長&割安」のDX銘柄は?
いま、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連銘柄は“見極めのタイミング”にある。
新型コロナウイルスの感染拡大は、DX関連の企業に大きな恩恵をもたらした。しかし、“コロナ特需”を背景とした高い成長率から一転、2023年ごろからは業績の成長率の鈍化が目立つ企業が増えている。
加えて、足元の株式市場で中心となっているのは、海外投資家の資金流入などを背景とする大型バリュー株の上昇だ。小型グロース株が多いDX関連のセクターでは、そうした小型株を軸に株価のパフォーマンスが軒並み悪化し、相対的に投資妙味が減少。逆風にさらされているのが実情だ。
しかし、一方で「成長性を考慮すれば、明らかに割安に過小評価されている銘柄も多い印象だ」とあるアナリストは指摘する。
成長率の鈍化もあって投資家からはDXセクター関連のグロース株全体がネガティブに見られているが、逆に言えば「いまは仕込みのチャンスともいえる」(前出のアナリスト)。成長率が鈍化しているとはいえ、デジタル化の進展とともにDX需要の底堅い増加が見込まれるのも確か。株価が軟調ないまだからこそ、目を付けたいところだ。
そこで、今回ダイヤモンド編集部では、3年後の業績予想を基に、3期後までの年平均の売上高成長率が15%以上で、3期後のPER(株価収益率)が20倍以下の「成長性が高く割安なDX関連銘柄」を抽出し、32銘柄をリストアップした。
DX関連の需要は底堅く、今後も高い伸びが期待されることから、まずは3年後もトップラインの高い成長を維持できる企業を抽出。その上で、まだ株価への織り込みが進んでいない銘柄やセクター全体のネガティブな印象に引っ張られて割安にとどまっている銘柄を選別すべく、PERでスクリーニングを行った。グロース株ではPERが60倍などになることも珍しくない。その中で、3年後の目線とはいえ20倍を下回る銘柄は、十分に割安といえるだろう。
リストの中には、ベイカレント・コンサルティングなど、急成長を遂げている注目企業も複数登場。小型グロース株を中心に、割安な評価が続いているいまだからこそ、ある種の“逆張り”で注目したい、狙い目のDX銘柄をお届けする。
早速次ページで、その内容をチェックしていこう。