齋:オプションでブレンボのブレーキが付いていれば、少しフィーリングも変わると思うのですが。フェルさんは何に乗ったんだっけ?
マツダ広報:フェルさんが試乗されたのはS Leather Package V Selectionです。ブレンボのオプション設定はありません。
F:あかん。この記事はYahooニュースにも転載されているし、多くの方に読まれています。世間中にハジを晒しました(泣)。
齋:いや、ちょっと待ってください。もしかするとこれは、先にお話したアンシンメトリカルLSDの影響かもしれません。や、そうだそうだ。なるほどなるほど分かりました。
ブレーキを変えていないのに、
なぜ「効きが良くなった」と感じたのか
齋:今回採用したLSDと今までのLSDの何が違うというと……これを詳しくお話しすると一晩語っても足りないので、うんと簡単に言いますが……今までのLSDは、減速時と加速時の両方に効かせていたんです。1対1の割合で効かせていた。それを今回は、減速時1.3対加速時0.7ぐらいの割合に変えたんです。減速時に特に効くように造ってある。だからブレーキを踏んで減速すると、後輪がグッと踏ん張ってしっかりと接地するんです。
F:おぉ!
齋:だから急ブレーキをかけても姿勢が安定している。前につんのめらない。それが安定感に、安心感につながるというわけです。
F:それで結果的にブレーキが良く効くようになった。制動距離も短くなった。
齋:いえ。ブレーキ自体は変えていないから、制動距離は変わりません。従って「効きが良い」という訳ではありません。でも減速をかければかけるほど。つまりブレーキを強く踏めば踏むほど、リアの作動力が大きくなるから姿勢が安定する。リアの浮いた感じがなくなる。